TV版『機動戦士Zガンダム』を観終わって

昨年の暮れからCSのアニマックスにて再放送されていた『機動戦士Zガンダム』をようやく観終わりました。
観たのは1985年の初回放送以来だから、実に32年ぶり。あの頃小さな子供だった僕も、今では大きな子供になりました(笑) まさかアラフォーになってもガンプラ作ってるとはね!

 

今回の再放送は毎週2話ずつ一挙に放送されたので、今年の5月くらいにはすでに最終回の放送を迎えていたわけですが、僕はほぼ一年くらいかけてじっくりと観ました。10話観たらまたその10話を観返す、みたいな感じで。というのもやはり話とかそれぞれの組織の関係性とか難しいし、細かいセリフを追っていくと後々の伏線があったり、その人のキャラがよく表れていたり、ツッコミどころがあったり…と繰り返し観ることによっていろんな発見があったから。ホンコンのビルに「BANDAI」の看板があったり、1年戦争時の古いゲルググがあったところに「SUNRISE」の文字があったりとかも。

 

32年前の初回放送時はまだ5歳くらいなので、正直内容は全く覚えていませんでした。もちろんその後に見聞きしたいろんな情報によって、誰が死ぬとか、カミーユが最後どうなるとかはわかっていたけど細かいシーンやセリフは覚えていなくて。なので今回が初見みたいな感じで観れました。

 

あらためて観ると、それぞれのキャラがとても魅力的でしたね。クワトロことシャアの、カミーユに殴られたり逮捕されたりベンチで泣いてたりとダメ男全開っぷりにとても親近感覚えたり、ジェリドの毎回の「もらった!死ねカミーユ!なにっ!?ぐわーーーーっ!」のザコっぷり(そして悪運の強さ)に大笑いしたり。シャアとジェリドはほんと愛すべきキャラクターですね。

 

キャラと言えば、Zは女性陣も魅力的。僕はエマ・シーンとハマーン・カーンが特に好きですね。ライラ・ミラ・ライラやファ・ユイレィもいいですが。ロザミィが「お兄ちゃーん!」言ってる時のファの嫉妬っぷりはとてもかわいい。僕はツンデレが好きなんですかね。

 

で、最終回「宇宙を駆ける」とその前の「生命散って」は、はっきり言ってすさまじかったですね。壮絶というか。終盤は1話ごとに1名か2名、アポリー、ジャミトフ、サラ、バスクって感じで主要キャラが死んでいきました。しかし「生命散って」ではまず最初の15分でカツ、ヘンケン、ジェリドが死んで、さらに後半15分でレコア、あとエマが瀕死で。まさに「生命散って」ですよ。

 

でも好きなエマの死がとても丁寧に描かれていたのは良かったです。MSが爆発して一瞬で死ぬとかちょっと悲しすぎますね。放棄された戦艦の中で横たわり、カミーユに看取られながら静かに息を引き取り、「カミーユ、行きます!」とハッチを開けて無重力状態になりスッと浮くエマ。そしてコロニーレーザーにより光に包まれるエマの描写など、とても丁寧で美しく、感動的ですらありました。死んでしまったのは悲しいけど、こういう死の描き方ならだいぶ救われるなーと。

 

さて最終回ですが、何より衝撃だったのはカミーユの精神崩壊後の描き方です。普通のアニメであれば、アーガマに帰還してブライトたちがカミーユの心配をしている描写があったり、ヘンケンのナレーションで「シロッコの死によって指示系統を失ったティターンズはその後…」「かくしてグリプス戦役に終止符が…」みたいなものが入って、最終回っぽく終わると思うんですよね。でもカミーユの精神崩壊に対しファが「あああ…」となり、「おまえ(Mk-Ⅱ)もアーガマに戻りたいのね」のセリフの後は四肢がもげた百式が漂流するシーンのみ。いくら続編のZZがあるからと言って、ハマーンやアクシズがどうなったかの説明もないし、これどうなんですかね?後味悪すぎですよね!

zgundam

この時代にTwitterがあったらやばかったでしょうね。鉄血のオルフェンズですら、主人公が死に(ストーリー上の)敵側が勝っただけで大波乱でしたからね。勝ち負け不明で主人公が精神崩壊。しかも当時観ていた小中学生は自分含め精神崩壊の意味が分からなかったはず。
あのラストについていろいろググっていたら、とても面白い考察ブログを見つけたので紹介しておきます。とてもわかりやすい文章だし構成も練られていて巧いし、なるほど!という感じでサクサクと読めました。お時間あればぜひ。

『Zガンダム』のラストがどういう意味だったのか、ようやく分かった

 

しかしなんだかんだ言って、とても面白かったしいろんな意味でやはり名作だなあと思いました。11月からはいよいよ「機動戦士ガンダムZZ」の再放送も始まるし、やはり好きなMSが一番多いのはZとZZなので楽しみです。ZZを観るのも31年ぶり!

それと、劇場版Zは観たことがないので近いうちレンタルしてぜひ観てみたいと思います。